シーケンス制御をするのに欠かせないタイマー
このタイマーにはいろいろな使い方があります。
今回はそんなタイマーの基本をご紹介いたします。
まず、タイマーには種類がいくつかあります。
今回はFX3Uの場合を例にご紹介します。
使用するシーケンサにより異なりますので、詳しくは取扱説明書をご覧ください。
- 通常のタイマー 範囲: T0~T245 単位:100msec
- 高速タイマー 範囲: T256~T511 単位:1msec
- 積算タイマー 範囲: T246~T249 単位:1msec
- 積算タイマー 範囲: T246~T249 単位:100msec
通常のタイマー
通常のタイマーです。
コイルがONになると、設定時間のカウントを開始します。
設定時間経過するとタイマーの接点がONします。
タイマーのコイルがOFF状態になるとカウントはリセットされます。
最大で3276.7秒までタイマーをカウント可能。
(T0 k10)と記述すると1秒間タイマーがONするとT0の接点がONすることを表します。
kとは三菱のシーケンサでは10進数の数値を扱うと定義する記号になります。
積算タイマー
積算タイマーは、入力条件がオフになってもタイマーの現在値が0にリセットされない
特殊なタイマーです。
タイマーがONしていた時間を記憶しておきたい場合に有効です。
生産ラインの稼働時間管理
信号がONしている時間の累計
等に使用できます。
積算タイマーには高速カウンタタイプと通常カウントタイプがあります。
カウントしたタイマーは RST命令でリセットしてあげる必要があり、
リセットを入れ忘れてしまうと接点がずっとONしたままになりますので、
気をつけましょう!
これが積算タイマーです。
T246が1msec型でT250が100msec型になります。
X001がOFFしている状態でもカウントが保持されています。
現在7秒カウント中です。
カウントアップ後、X001がOFF状態でもT246がONしたままの状態です。
X003がONしてRST命令を出すことで、T246のカウントがリセットされて、タイマーの接点がOFFになります。
高速タイマー
高速タイマーは通常のタイマーよりも細かい時間単位ですので、
より精密な時間計測が可能です。
範囲: T256~T511 単位:1msec 最大:32.767秒までカウント可能です。
使用用途としては製造工場での正確な加工時間の管理や
実験データの高精度な時間記録などに使用されます。
また、モーター制御やサーボ制御など、
高速な応答が求められる制御システムで使用されます。
タイマーを使用した例
タイマーを使用した例としては
ONディレイタイマー
あるセンサーが2秒ONしたら次の動作に進むというときに使用
今回はX000がセンサーでX000が2秒間ONするとコンベア起動(Y000)がONします。
OFFディレイタイマー
あるセンサーが2秒間OFFしたのを確認してから次の動作に進むときに使用
Y000がONしている状態でX000のセンサーがOFFしてT1が2秒OFFした状態が続くとコンベア起動を停止させる。
またはチャタリング防止としても使用される。
タイマーを使用してセンサーを確認することで、
より安定した動作を目指したり、
装置の稼働状況の確認や、
異常になるまでの時間に猶予を持たせたりすることができます。
色々な使い方を覚えて行きましょう!