入力と出力と補助リレーについて

電気制御(PLC)

シーケンサ(PLC)にはプログラムを作成する際に入力や出力、補助リレーというものが使用されます。

入力や出力、補助リレーは電気制御をする際の基本となりますので、しっかり理解していきましょう!

入力について

シーケンサの入力は、センサーやスイッチなどの外部機器からの信号を取り込むために使用されますシーケンサの入力には主に2つのタイプがあります。

シンク入力 (NPN)


外部機器がONになると、シーケンサの入力端子に電流が流れ込みます。
電源のマイナス側を機器のコモン端子に接続します
日本で多く使用されています

ソース入力 (PNP)


外部機器がONになると、シーケンサの入力端子から電流が流れます。
電源のプラス側を機器のコモン端子に接続します。

海外でも多く使用され、安全回路を組む際にもよく利用されています。

機械の仕様によってPNPであるか、NPNであるかは主に仕様書等によって指定されます。

PNPとNPNを混在させるのには一工夫必要になってくるので、装置の仕様書をみてNPNであるか、PNPであるかを確認してから電気設計をしていきましょう!

出力について

シーケンサの出力は、プログラムの出力したいタイミングや、条件に基づいてランプや、シリンダー、モーターを制御するために使用します。


シーケンサの出力には主に3つのタイプがあります。

リレー出力

機械的な接点を使用します。
AC/DC両方の負荷に対応可能です。
応答速度は比較的遅いですが、容量の大きな電流に対応できます。

トランジスタ出力では対応できない容量の時にも使用可能です。


ただし接点の溶着の恐れや、

使用可能回数がトランジスタに比べると少ないです。

リレー出力でカウンターのタイミングなどに使用する際にはカウンター側のチャタリングに注意しましょう。

チャタリングとは接点が閉じるときに信号が複数回ONしていまい、カウントが意図しない数になってしまう現象です。

対策としてONディレイタイマーというものがあります。

ONディレイタイマーとは信号がONして一定期間ONし続けていれば信号がONしたとみなすものです。

チャタリング時には瞬時に複数回ONとOFFを繰り返すので、効果的です。

逆の概念として、信号がOFFする時間を一定期間確認後、ONになるとカウントするオフディレイタイマーというものもあります。

トランジスタ出力


半導体素子(トランジスタ)を使用します。
DC負荷のみに対応します。
高速応答が可能で、寿命が長いのが特徴です。

チャタリングはしませんが、代わりに高出力の電流を流すことは苦手です。

そのような場合にはリレーを別途用意し、そのリレーのa接点でONして機器を動作させるようにしましょう。

トライアック出力


半導体素子(トライアック)を使用します。
AC負荷専用です。
無接点でノイズが少なく、寿命が長いのが特徴です。

シーケンサにはいろいろな出力方式がありますので、

適切な出力形態を選択するようにしましょう。
出力の種類(リレー、トランジスタ、トライアック)に応じて、適切な負荷を接続する必要があります。

トランジスタ出力の場合、シンク出力かソース出力確認し、正しく配線することが重要です。

出力の定格(電圧、電流)を超えないように注意が必要です。

補助リレー


補助リレーは、シーケンサのラダープログラム上で使える仮想のリレーです

三菱電機製のPLCでは「M」と表記されます

プログラム内部で使用するため、内部リレーとも呼ばれます

コイルをON/OFFさせることができ、a点とb点を自由に使えます

プログラム内の状態を一時的に記憶したり、複雑な条件を組み込むために使用します。

補助リレーには用途が違うリレーも存在します。

  • 一般用: シーケンサの電源をOFFにすると、状態がOFFになります。
  • 臨時保持用: シーケンサの電源をオフしたら、直前の状態を保持します。
  • 特殊用途: 事前特定の機能が割り当てられている補助リレーです。

よく使うものには

M8000 常時ON

M8001 常時OFF

M8002 起動時に1スキャンだけONになります。

M8013 1秒周期でON/OFFを繰り返します。

その外にも特殊リレーはありますが、残りは必要になったときに調べて、使用してください。


使用できる補助リレーのデバイス番号はPLCのタイプによって異なります。

使用する際には取り扱い説明書を読んでから使用しましょう!

プログラムを組む時には

実際にプログラムを組む際には入力や、補助リレー出力を組み合わせてプログラムを作っていきます。

入力を二つ並べて同時にONしたときに出力するようにしたり、

ボタンを押されたら補助リレーで自己保持をして状態を記憶して、自動運転回路を組んで行ったり、

組み合わせ次第で色々な回路を組んでいけるようになります。

他人の回路を参考にしたり、自分で回路を組んでみて試してみてくださいね!


タイトルとURLをコピーしました